人間の部屋
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吉田は家を捜している。家といってもアパートなのだ。
ある地方新聞の東京支局で取材記者をする〈わたし〉、その前任者で現在は日米PR会社に勤務する吉田とその妻、そして、某週刊誌の編集部員である福村とその妻——。日米PR会社のスポンサーの商品を宣伝するため、アルバイト原稿を書き続けるうちに、利害関係と人間関係が複雑に入り組んでいく。引っ越しを考えている吉田夫妻の部屋は、スポンサー企業の商品で飽和している。『円卓』1963年4月号に発表。単行本未収録作品。