小説 いかに読み、いかに書くか
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いとうせいこう氏の小説『鼻に挟み撃ち』でも“名著”と絶賛!
なぜ小説を書きたいと思うのか? それは小説を読んだからだ——「読む」ことと「書く」ことの関係を結びつけながら、ドストエフスキーの名言「われわれは皆ゴーゴリの『外套』から出てきた」の深淵に迫る。田山花袋、志賀直哉、宇野浩二、芥川龍之介、永井荷風、横光利一、太宰治、椎名麟三の作品を俎上に載せ、明治、大正、昭和、戦後の日本近代小説の流れを「小説の方法」というコンテキストの中で組み立て直した小説論。1983年に講談社現代新書より刊行。
◉目次
プロローグ:小説を書くことは読むことからはじまる
第一章:「事実」かフィクションか…田山花袋『蒲団』
第二章:裸眼による「直写」…志賀直哉『網走まで』『城の崎にて』
第三章:文体―接続詞とは何か…宇野浩二『蔵の中』
第四章:虚構としての心理と意識…芥川龍之介『藪の中』、永井荷風『濹東綺譚』
第五章:中心を失った「関係」の発見…横光利一『機械』
第六章:「私小説」のパロディー化…太宰治『道化の華』『懶惰の歌留多』
第七章:「異様なる日常」の世界…椎名麟三『深夜の酒宴』
エピローグ:「話し言葉」と「書き言葉」